こどもを事故から守る
3〜5歳
更新日
2024/03/13
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「ベビーベッドからの転落」「ボタン電池の誤飲」「やけどや水の事故」など、乳幼児を取り巻く環境には危険がいっぱいです。乳幼児に起こりやすい事故を防ぐためには、何気ない日常の行動も「こどもの視点」で見直す、細かな気遣いが必要です。



ベビーベッド

赤ちゃんはハイハイをする月齢になっていなくても、バタバタと体を動かして少しずつ移動しているのです。ちょっと目を離したすきにベッドなどから転落したり、すき間に指をはさんでけがをすることがあります。赤ちゃんをベビーベッドに寝かせているときは、必ず柵を上げておきましょう。



ベビーキャリーバスケット(クーハン)

赤ちゃんを連れて外出する際に使用する持ち手のついたかご(ベビーキャリーバスケット)は、持ち手を替えようとした時や、赤ちゃんを運んでいるときに、バランスを崩して転落させてしまうことが多いようです。物を運ぶような気軽さで赤ちゃんを扱わないことが基本です。



揺さぶられっ子症候群

赤ちゃんや小さなこどもが激しく揺さぶられたり、叩かれたりするような大きな衝撃を与えられると、身体(特に、脳や視神経)に損傷を受け、重大な障害が残ったり、死亡することもあります。体を揺すった場合のほか、あやし喜ばせようとして豪快に振り回したり、あるいは新生児用ではないチャイルドシートに無理に新生児を座らせたりといった行為が危険視されています。


軽傷の場合でも、食欲低下、むずかりが多いなど、はっきりしない症状が続くこともあります。気になることがあったら、かかりつけの小児科医に相談しましょう。



乳幼児突然死症候群「SIDS」

睡眠中に赤ちゃんが死亡する乳幼児突然死症候群(SIDS)という病気があります。SIDSは、何の予兆や既往歴もないまま死に至る原因のわからない病気です。乳児期の死亡原因の第3位です。予防法は確立していませんが、以下の3つのポイント守ることによりSIDSの発症率が低くなるというデータがあります。



あおむけに寝かせ

医師の指導が特にない限り、「あおむけ寝」を心がけましょう。うつ伏せ寝のほうがよく眠るというような場合は、うつ伏せ寝をするときの注意点について、あらかじめ医師などからアドバイスを受けておくとよいでしょう。



たばこをやめ

赤ちゃんの周囲では「たばこを吸わない」ようにしましょう。これには、周囲の方の理解と協力が大変重要です。たばこを吸う方は進んで協力してください。



できるだけ母乳で育て

母乳での育児は、赤ちゃんの体や心の成長にとって、大変よいことが知られています。母乳の出方には個人差がありますが、母乳が出る場合には、できるだけ「母乳栄養」を心がけましょう。人工栄養での保育に心配がある場合は医師から適切な指導を受けましょう。



紫外線

こどもを紫外線から守るために必要なことをまとめました。



外出する時間帯を考え

紫外線の強い時間帯(10時~14時)の外出を避け、赤ちゃんの外気浴や散歩は、紫外線の少ない朝夕に行いましょう。



直射日光を避け

外出するときは直射日光を避け、日陰(木陰、日がさ、ベビーカーの日よけなど)を利用しましょう。



服装や日焼け止めを工夫する

帽子、長そで、日焼け止めクリームで防御しましょう。



誤飲

誤飲は、赤ちゃんがハイハイやつかまり立ちを始めるなど、行動範囲が飛躍的に広がる時期に多い事故です。



たばこ

たばこの誤飲による事故は、たばこを吸う親が休日で家にいるときに多く、保護者が近くにいながら発生した事例もあります。特にジュースの空き缶などを灰皿代わりに使うのは誤飲のもとですから注意してください。



ボタン電池、防虫剤、アルコール飲料など

口に入れたら危ないものを不用意に置いていないか、こどもの手の届く範囲に置いていないか、目に触れるところに置いていないかなど、こどもの目の高さで、常に身の回りをチェックするよう心掛けてください。


幼いこどもの口の大きさは直径約4cmなので、これより小さい物は口の中に入り危険です。床面から1m以上の高さの所に片づけましょう。



中毒事故が起こったら

(公財)日本中毒情報センターでは、たばこ、家庭用品、医薬品や動植物の毒などによる、急性中毒の緊急の相談(問い合わせ)に、24時間体制で応じています。なお、「中毒110番」では、食中毒(細菌性)、慢性の中毒、小石、ビー玉などの異物誤飲については受け付けていませんので、最寄りの医療機関にご相談ください。


[中毒110番]
(公財)日本中毒情報センター

大 阪 電話番号:072-727-2499 365日24時間
つくば 電話番号:029-852-9999 365日24時間


[たばこ誤飲事故専用電話]
電話番号:072-726-9922 365日24時間



やけど

こどもの皮膚は大人の半分以下の厚さのため、やけどの被害は大人の倍以上になってしまいます。


乳幼児は特に好奇心が旺盛で、興味のある物にはすぐに手をのばしてしまうので、テーブルの上に置いてあるカップ、電気炊飯器や電気ポットの蒸気孔に触らせないよう注意するとともに、アイロンなどの熱くなる家電製品についても、コードやコンセントの位置、使用場所に十分気を配ってください。



水の事故

主なケースとしては、風呂場での転落や、洗濯機、水槽、ベビーバスなどでの事故が考えられます。


短時間でも、こどもを浴室に置いて外に出ないようにしましょう。浴槽によじ登って溺れる、つかまり立ちをして転倒するなどの事故が起こっています。浴槽のふたは入浴の直前にはずし、入浴中は赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。入浴後は浴槽のお湯を抜き、浴室のドアは開け放しにせず、こどもが一人で浴室に入れないよう浴室のドアの鍵をかけておきましょう。



その他の事故(遊具による事故など)

幼児期に入ってよちよち歩きが始まると、親の目が届かなくなりがちになり、様々なケースの事故が起こります。家や自動車のドアに指をはさむ事故、ジャングルジムなどの遊具による事故、階段での事故、自転車による事故などが考えられますので十分気を配ってください。


幼児期の死因の第1位は不慮の事故です。こどもは好奇心が旺盛で動きが活発なため、歩行中でもいろいろなものに関心を示します。また、こどもの目の高さは大人より格段に低いため、視界が限られます。そうしたこどもの特性を理解して事故防止に努めましょう。

 

注意が必要な食べもの

はちみつ
乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児に「はちみつ」を与えることにより、発症する場合が多いと考えられています。この疾病は、新生児が正常に発育したあと便秘が続き、吸乳力が低下し、泣き声も弱くなり次第に全身の筋力も低下し、重症では死に至ることもあります。乳児ボツリヌス症予防のために、はちみつは満1歳までは与えないでください。


こんにゃくゼリー
こんにゃくゼリーは弾力性があり、かみ砕く力の弱い小さなこどもが食べると、のどに詰まるおそれがあります。乳幼児には絶対に与えないようにしてください。



食物アレルギー

食物アレルギーは、ある特定の食べ物を食べたり、触れたりした後にアレルギー反応があらわれる疾患です。


食物アレルギーの原因となる物質であるアレルゲンは、主に食べ物に含まれるタンパク質で、乳幼児期には小麦や大豆、鶏卵、牛乳などが、学童期以降では甲殻類や果物、そば、魚類、ピーナッツなどのように、加齢に伴って食物アレルギーの原因が変わっていくという特徴があります。


食物アレルギーの症状は皮膚や、呼吸器、消化器など身体のさまざまな臓器にあらわれます。


これらの症状は、1つだけがあらわれる場合もあれば、急に複数の臓器に症状があらわれることもあります(「アナフィラキシー」といいます)。アナフィラキシーの症状に、さらに血圧低下や意識障害など急激に全身の症状が進行する場合を「アナフィラキシーショック」と呼び、生命の危険にまで及ぶことがあります。


「軽症」は皮膚症状が部分的で消化器症状も弱く、元気がなくなる程度です。「中等症」では皮膚症状は全身に広がり、がまんできないほどのかゆみや、軽い息苦しさや、眠気があらわれる場合があります。「重症」では全身症状があらわれ、強い腹痛や嘔吐を繰り返し、便失禁や、ぐったりして意識を消失する場合があります。重症の場合には、すぐに救急車を呼び、アドレナリン自己注射薬(エピペン®)を携帯しているときには速やかに使用します。緊急時の対応方法を医師に確認しておきましょう。