2024/03/12
「幼稚園」「認定こども園」「保育所」などの各教育・保育施設について、それぞれの施設の説明や対象年齢、利用手続きや申し込みの時期、保育料など基本的な内容に加え、保育時間や給食の有無、「どんな教育・保育をしているの?」といった点まで、詳しく説明します。
どんな施設があるの?
幼稚園
- 小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期の教育を行う学校です。
認定こども園
- 幼保連携型・保育所型・幼稚園型・地方裁量型の認定こども園があります。
- 幼稚園と保育所の機能や特徴を併せ持ち、地域の子育て支援も行う施設です。
保育所
- 就労などのため家庭で保育のできない保護者に代わって保育する児童福祉施設です。
地域型保育事業
- 家庭的保育事業/小規模保育事業/居宅訪問型保育事業/事業所内保育事業があります。
- 保育所より少人数の単位で、低年齢児を保育する事業であり、市町が認可します。
認可外保育施設
- 自治体から認可を受けていない保育施設です。
- 地域のこどもを預かる託児施設のほかに、従業員のこどもを預かる託児施設などもあります。
- 平成28年度からは企業主導型保育事業も始まりました。
詳しくは施設にお問い合わせください。 - 厚生労働省の「よい保育施設の選び方十か条」を参考に保育施設を選びましょう。
何歳から入れるの?
幼稚園 ・・・ 満3歳から小学校就学前まで
認定こども園 ・・・ 0歳から小学校就学前まで(3歳未満は保育認定を受けていることが必要)
保育所 ・・・ 0歳から小学校就学前まで
地域型保育事業 ・・・ 0歳から2歳まで
どんな手続きが必要なの?
教育・保育施設の利用を希望する場合は、お住まいの市町から利用のための支給認定(教育・保育認定)を受ける必要があります。
〇幼稚園や認定こども園を利用したい場合 ⇒ 教育認定(1号認定)
① 幼稚園などの施設に直接申込を行います。
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② 施設から入園の内定を受けます。
↓
③ 施設を通じて市町に認定を申請します。
↓
④ 施設を通じて市町から認定証が交付されます。
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⑤ 施設と契約します。
※なお、私学助成を受ける幼稚園の利用をご希望の場合は、支給認定を受けずに施設と直接契約することになります。詳しくは、幼稚園にお問い合わせください。
◯保育所や認定こども園、地域型保育事業を利用したい場合 ⇒ 保育認定(2号・3号認定)
① 市町に直接認定を申請します。(③も同時にできます。)
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② 市町が「保育の必要性」※1を認めた場合、認定証が交付されます。
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③ 市町に保育所などの利用希望の申込をします。
↓
④ 申請者の希望、保育所等の状況に応じ、
| 保育の必要性の程度を踏まえ、市町が利用調整※2をします。
↓
⑤ 利用先の決定後、契約となります。
※1「保育の必要性」とは?
次のいずれかに該当することが必要です。
- 就労
- 妊娠、出産
- 保護者の疾病、障害
- 同居又は長期入院等している親族の介護・看護
- 災害復旧
- 求職活動
- 就学
- 虐待やDVのおそれがあること
- 育児休業取得中に、すでに保育を利用しているこどもがいて継続理由が必要であること
- その他、上記に類する状態として市町が認める場合
※2 利用調整とは?
市町が定める基準に基づき、保護者の状況などに応じ保育の必要性などから優先順位をつけ、利用する施設などの調整を行うことです。ひとり親家庭、生活保護世帯、生計中心者の失業、こどもに障害がある場合などには、保育の優先的な利用が必要と判断される場合があります。
申し込みの時期はいつ?
幼稚園・認定こども園(教育認定の場合)
4月からの入園は、前年9月上旬から募集案内をして申し込みを受け付けています。(地区によって受付時期が異なります。)その他の時期の入園は、随時受け付けています。(園により異なります。)満3歳児入園(満3歳児の誕生日を迎えた後の年度途中の入園)については、各園にお問い合わせください。
保育所・認定こども園・地域型保育事業(保育認定の場合)
4月からの入所は、前年の9~12月頃に募集案内をして申し込みを受け付けています。(市町によって時期が異なります。)その他、必要な時にいつでも申し込みできます。
保育料は月額でどのくらい?
◯支給認定を受けている場合
- 世帯の所得の状態とこどもの年齢によって、市町が保育料を決定します。
(市町によって保育料は異なります。) - 一般的には、3歳以上児で2~3万円、3歳未満児で4~5万円です。
※同一世帯から2人以上のこどもが保育所等に入園している場合、保育料が2人目のこどもは半額、 3人目以降のこどもは無料となります。
※原則として生計を一つにする同一世帯で3人以上こどもがいる家庭は、保育所等に入所する3歳未満の3人目以降のこどもの保育料が免除となります。
◯私学助成を受ける幼稚園を利用している場合 ※支給認定を受けていない場合
- 幼稚園が定めますので、幼稚園ごとに異なります。一般的には保育料と諸費を含めて2~3万円程度です。また、世帯の所得の状況等に応じて就園奨励費補助金が交付されます。
幼児教育・保育の無償化について
○幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全てのこどもたちの利用料が無償化されます。
- 幼稚園については、月額上限2.57万円です。
- 無償化の期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。
(注) 幼稚園については、入園できる時期に合わせて、満3歳から無償化します。 - 通園送迎費、食材料費、行事費などは、これまでどおり保護者の負担になります。
ただし、年収360万円未満相当世帯のこどもたちと全ての世帯の第3子以降のこどもたちについては、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。 - 子ども・子育て支援制度の対象とならない幼稚園については、無償化となるための認定や、市町によって償還払いの手続きが必要な場合がありますので、お住まいの市町にご確認ください。
○0歳から2歳までのこどもたちについては、住民税非課税世帯を対象として利用料が無償化されます。
- さらに、こどもが2人以上の世帯の負担軽減の観点から、保育所等を利用する最年長のこどもを第1子とカウントして、0歳から2歳までの第2子は半額、第3子以降は無償となります。
(注)年収360万円未満相当世帯については、第1子の年齢は問いません。
(出典:こども家庭庁ホームページ)
保育時間はどれくらい?
◯教育認定を受けている場合 ※私学助成を受ける幼稚園を利用している場合を含む。
- 一日4時間を標準時間としています。
- 通常の保育時間終了後、午後6時頃まで引き続き園児を預かる「預かり保育」を行っている幼稚園が多くあります。園によっては、朝7~8時頃開始の早朝預かりも実施しています。
◯保育認定を受けている場合
- 利用可能な時間は、1日8~11時間です。
(11時間の利用は、保育標準時間の保育認定の場合) - 保育所等は、一般的には、午前7時30分頃~午後6時30分頃まで開所しています。
給食は出るの?
◯教育認定を受けている場合 ※私学助成を受ける幼稚園を利用している場合を含む。
- 多くの幼稚園等は給食(仕出し弁当含む。)を実施しています。詳しくは幼稚園にお問い合わせください。
◯保育認定を受けている場合
- 3歳未満児は完全給食で、3歳児以上は主食だけ持参します。
(完全給食を行っている施設もあります。) - 給食費は保育料に含まれます。
休みの日はあるの?
◯教育認定を受けている場合 ※私学助成を受ける幼稚園を利用している場合を含む。
- 土曜日、日曜日、祝日、年末年始はお休みです。
- 春休み、夏休み、冬休みがあります。(秋休みがある幼稚園もあります。)
◯保育認定を受けている場合
- 原則、日曜日、祝日、年末年始はお休みです。
どんな教育・保育をしているの?
○「遊び」は重要な学習
幼稚園、保育所、こども園では、「遊び」を基本とした教育を行っています。「遊び」は、こどもが「こうやりたい!」などの思いをもって、ものや人と夢中になって関わる活動のことです。この「遊び」を通して、ものごとの発見をしたり、文字や数の必要性を感じたり、人との関わり方を学んだりしていきます。このため、幼稚園、保育所、こども園などでは、小学校以降の教育と異なり、教科書を使わず、「遊び」中心の活動を行っています。幼児期に「遊び」を通して様々なことを学ぶことが、生涯にわたる人格形成の基礎を培います。
○小学校以降の学習の土台を育てる
幼稚園、保育所、こども園における「遊び」と小学校の「国語」や「算数」などは、一見何のつながりもないように見えるかもしれません。 しかし、「遊び」には、教科の学習につながるたくさんの学びの要素があります。幼児期のこどもは、発達的に「これを身に付けるぞ!」と意識して学ぶことは難しく、必要感をもって取り組むうちに、自然と身に付き、学びが膨らんでいきます。これにあった学び方が「遊び」です。「遊び」を通して様々なことを体験的に学んだことが、小学校以降の学習を円滑にします。幼児期に特定のスキルを早期に身に付けさせるのではなく、やり通す力や自分を調整する力など、土台をしっかり作ることを意識しましょう。
○施設類型が違っても整合性のある教育・保育
幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が平成29年に改定され、平成30年4月より施行されました。幼児教育と小学校教育の円滑な接続を図る観点から、5歳児修了時までに育ってほしい具体的な姿について10項目に整理した「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が共通して新たに位置付けられるなど、どの教育・保育施設にいても同じ方針に基づいた教育・保育が受けられるよう整合性が図られています。
どうやって小学校につなぐの?
ぜひ知っておいてもらいたい言葉があります。「架け橋期」です。これは、5歳児と小学校1年生の2年間のことを言います。この時期に育つ学びの芽を園と小学校で共有し、一人一人の学びがしっかりとつながっていくようにしています。園の先生と小学校の先生が、互いの保育や授業を見合って、こどもについて語り合い、こどもの理解を深めています。