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更新日 2024/03/14

これからの未来を担う!アイスホッケージュニア選手 飯村海太さん&お父様にインタビュー


プロを目指して挑戦している親子に聞く
「父と息子、アイスホッケーは楽しむためのツール」


栃木県で盛んなスポーツのひとつ、アイスホッケー。とくに日光市は、H.C.栃木日光アイスバックスの本拠地があり、将来が期待されるジュニア選手も多数活動しています。今回はそのなかのひとり飯村海太いいむら うた)さん(小6)をご紹介。海太さんのお父様は、元プロアイスホッケー選手 飯村喜則(いいむら よしのり)さん。日光アイスバックスにも在籍し、攻撃の要としてチームを支えてきた選手です。


元トップアスリートの父に見守られ、日々努力を積み上げている海太さんのこれまでとこれからを伺いました。



スケート靴を履いたのは3歳のとき。仲間がいることの楽しさが原点


海太さんが3歳のとき、喜則さんは北海道釧路市に本拠地を置く日本製紙クレインズに在籍。その頃から海太さんは、喜則さんの練習が終わるのを待って、一緒にリンクで遊ぶようになったそうです。


本格的にアイスホッケーをはじめたのは、海太さんが4歳になってから。喜則さんが日光アイスバックスへ移籍したことを機に、日光市のジュニアアイスホッケーチーム「清滝ドラゴン」と、日光アイスバックスが運営するスクール「アイスバックスジュニア」に入り、練習を開始しました。


海太さん:
「同じ年の友だちが清滝ドラゴンに入ったことがきっかけで、一緒にやってみようと思いました。アイスホッケーをはじめて最初に感じたのは、チームメイトがいるって楽しい!ということです」


海太さんのポジションはディフェンスとのこと。


喜則さん:
「大抵の子どもはまず攻める側のオフェンスをやりたがりますが、海太は最初から1人離れた場所で守りのポジションに立っていたことを覚えています」


海太さん:
「小さいころはキーパーに憧れていました。今も、攻めるフォワードより守るディフェンスが好きです。ディフェンスはフォワードよりリンクがよく見えるので、全体を眺めて、そこからパスなどの判断ができるのがいいな、と思っています」


取材を行ったこの日は早朝練習があり、朝5時10分に起きて練習をしてきたという海太さん。早起きは苦手とのことですが、仲間がいるから楽しい!アイスホッケーをはじめたときの想いをそのままに、毎日練習に取り組んでいます。



最上級学年として挑んだ関東大会。結果は、大会史上初!全試合完封勝ち


年中からアイスホッケーをはじめて8年になる海太さん。今年はチーム最上級学年として迎える節目のシーズンとあって、大会にかける想いもひとしお。この一年は「関東少年アイスホッケー選手権大会」で優勝することを目標に掲げてきたそう。そして迎えた本番。結果はなんと、大会史上初、全試合完封勝ちを成し遂げることができたといいます。


海太さん:
「優勝することができて、よかった!アイスホッケーをずっと続けてきて、一番うれしかった瞬間です。アシストも頑張ったし、チームに貢献できたと思う」


喜則さん:
「今年の6年生はいいメンバーがそろっていて、本当に強かった。点を入れてくれる仲間がいるから、海太はまわりを理解しながら守りに専念している。自分の中で守るという意識が高いところがいいんじゃないかな」


ふだんからまわりに流されることなく、自分のペースで淡々と炎を燃やすタイプだという海太さん。その芯の強さが、プレーでも強みとなって活かされているようです。


さらにこの冬、海太さんは10日間に及ぶニューヨーク(NY)遠征へ。この遠征には、日本のほか、アメリカ、カナダ2チーム、イタリア2チームのジュニア選手が集まり、世界を相手にトーナメント戦が行われました。


海太さん:
「ほかの国の選手は、体が強く、力もあると感じました。トーナメント戦では準優勝することができましたが、今回の遠征を通して、フィジカルをもっと鍛えていきたいと思いました。あと、NHL(北アメリカのプロアイスホッケーリーグ)の試合観戦もできて楽しかったです。外国の選手は1人1人の技術が高い。日本の試合とはスピード感が違って、刺激を受けました」


NY遠征は、海太さんが世界に目を向けるきっかけに。最近はNHLの試合を動画で見ることも増えたといいます。



ときには落ち込むことも。でも、それでいい、と見守る喜則さん


今年、栃木U12の選抜選手に選ばれた海太さん。どんどん活躍の場を広げていますが、ときには落ち込んだり、凹んだりすることもあるそう。


海太さん:
「試合に出られなかったとき、失点したときなどは落ち込みます」


喜則さん:
「悔しいだろうなって思うこともありますが、家では基本的に私からはアイスホッケーの話はしません。こちらが一方的に何か言ってもこどもの心には届かないもの。 何か聞かれたときだけ答えるようにしています。大抵プレーについてのことが多いので、そのときは必ず、どういう思いでそのプレーをしたかということを聞いています。 こどもは自分で考え、私とは違う目線でプレーをしています。だから海太の選択も間違いじゃない、ただ違う選択肢もあったことを伝えるようにしています



プロ選手として活躍した喜則さんからのことばは、経験に裏打ちされた説得力があります。年頃の海太さん、なかなかはっきりことばで伝えることはなくても、お父さんの存在が心強いと感じているそうです。



スポーツは楽しむもの。こどもの成長を近くで見守る親も、それを忘れずにいたい


喜則さんは父親として今、お子さんが同じスポーツをするにあたり、どんなことを心がけているのでしょうか。


喜則さん:
「スポーツって、楽しむもの。勝ち負けはついてきますが、勝つだけがすべてじゃない。自分のこどもが試合で活躍してくれたら、それはうれしいです。ただそれだけではなく、練習から帰ってきて自主練をはじめたり、NHLの試合を動画で見たり…。プレー以外でもこどもの成長を感じられる瞬間はいっぱいあります」
「私たち親子にとって、アイスホッケーは楽しむためのツールのひとつ。こどもの試合を応援するのも楽しいし、一緒にプレイすることも、ホッケーの話をすることも楽しい。ついサポートする親が力を入れすぎてしまう…というケースもあると思いますが、一番大切なこと、楽しむことを忘れずにいたいですね」
「わが家の場合、親がたまたまアイスホッケーの選手だったわけですが、こどもは自分のやりたいことをやればいいと思っています。海太はサッカーをやっていた時期もあります。スポーツに限らず、何をやっても、楽しんでくれていればそれでいいと思っています」


スポーツと勉強、その両立を不安に思う親も多いのでは?と伺うと、テストの点などはとくに気にしていない、と。良くても悪くても、次に向かって自分で考えてやってほしいといいます。



目指すは、プロ選手になること


海太さん:
「中学生になったら北海道の帯広に行き、また新たなステージに向けて挑戦します。新しい友だちをつくるのも楽しみ。どのチームに行っても、コイツがいれば大丈夫!という存在になりたい」


将来はプロ選手を目指していますか?との問いには「はい、プロを目指したいです」と、迷うことなくはっきりと答えてくれました。


喜則さん:
「プロを目指して、夢に向かって、努力してくれたらそれでいい。失敗しても、叶わなくても、別にいいんです。そういう経験ができたということで、素晴らしいことだから。いろんなことに挑戦することを望んでいます」



スポーツは楽しむもの。喜則さんのその想いに呼応するかのよう、新たなステージを楽しみに挑戦を続ける海太さん。栃木県も全力で応援しています!




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