あそび場&憩いの場!とちぎの児童館へ行こう
児童館ってどんなところ?大型児童館の職員さんに聞いてみました!
児童館ってどんなところ?誰が利用できるの?児童館は身近な施設ではありますが、よく分からない…という方も多いと思います。そこで、栃木県の大型児童館(栃木県子ども総合科学館)の職員であり、児童厚生一級指導員の資格をもつ諏訪典子さんに詳しく伺いました。
そもそも児童館とは、どういう場所ですか?
児童館は、赤ちゃんから高校生(18歳未満のこども)まで自由に利用することができる児童福祉施設になります。職員(児童厚生員)が常駐しているので、未就学児は保護者の付き添いが必要ですが、小学生以上からは親子でもひとりでも利用することが可能です。 児童館には施設によりさまざまな玩具があり、それらであそべるのはもちろん、本を読んだり、児童厚生員とおしゃべりしたり、乳幼児の保護者同士で情報交換したり…、思い思いに過ごすことができます。児童館ごとに楽しいワークショップなども実施されています。
児童館の意義を教えてください。
児童館の意義、良さは、3つあると思います。1つは、こどもや親が自分の意思で好きな児童館を選べること。小・中学校は、例外はありますが学区内で選ぶことがほとんどですよね。でも、児童館は違います。自分にあった居心地のよい場所を見つけて自由に利用できます。学区を超えて新しいお友達と出会うチャンスにもなります。
2つめは、児童厚生員と言われる専門の職員がいること。児童厚生員は法律的には「児童の遊びを指導する者」であり、こどもたちが安全にあそべて、楽しく活動できるように見守ってくれます。児童厚生員がこどもたちと関わる際は「主役で入ったとしても、脇役で抜ける」ことを意識しているため、こどもたちはあそびを通して自主性や社会性を育むことができます。
3つめは、0歳から18歳まで切れ目のない利用ができること。児童館は卒園や卒業がないので、児童厚生員はこどもたちの成長をずっと見守ることができます。科学館の例ですが、小さいときから通ってくれていたお子さんが高校生や大学生になってもイベントなどに顔を出してくれるケースもあります。こうやってずっとつながっていけることも児童館の良さ。歳の異なる子たちと関わりをもつ良い機会にもなります。
児童館であそぶメリットとは?
児童館はあそび場ではありますが、あそぶことは手段であって、目的ではありません。あそびを通じて、こどもたちにどうやって生きていってもらうか、そこを一番に考えています。例えばこどもに「我慢しなさい」と言っても簡単にはいきません。でも楽しいあそびを続けるためならできたりします。そういうちょっとした我慢や悔しさなどをあそびのなかに絡めていくことで、こどもたちが健全に育つことをサポートします。
児童館の意義を考えたとき、児童厚生員の存在は大きいですね。
児童厚生員は「遊びを指導する者」ですが、こどもたちからすると「評価しない大人」という存在になると思います。学校の先生は成績をつけますし、ともするとお母さんお父さんも評価する大人になってしまうかもしれません。児童厚生員は、なんだか分からないけど自分たちと話してくれて、叱るときはあっても評価はしない。だから悩みやわがままを言いやすい場合も多く、こどもたちの相談役にもなります。少し大きくなった子たちはとくに、学校や家でも見せない顔を見せるようになったりします。児童厚生員はただの監視員ではなく、専門の知識をもった職員だから、それが土台にあれば、家庭内の問題など、何かあったときに気づく頻度が高いわけです。必要と判断すれば、専門機関への「つなぎ役」にもなります。 こどもだけでなく、子育て中のお母さんお父さんの身近な相談相手でもあります。
児童館というと小学生ぐらいまでのイメージがありますが、中学生や高校生向けの児童館やイベントはありますか?
中学生や高校生になると、塾や部活で忙しくなったり、児童館が早く閉まってしまったり、さまざまな理由で利用しにくいケースが多くなると思います。そこで、高根沢町の児童館「きのこのもり」と「みんなのひろば」では、授業の一環として年に数日、町内の二つの中学校にお母さんや赤ちゃんと一緒に出向いて、命の尊さや相手を思いやる心を育むため、赤ちゃんとの触れ合いの場を設ける館外活動を行っています。児童館によっては、大きなこどもたちにイベントなどのボランディアをお願いするケースもあるかもしれません。
栃木市の中学生や高校生なら「栃木市はこのもり児童センター」は19時まで開館しているので利用しやすいと思います。音楽スタジオや本格的なビリヤード台などがそろっています。
児童館の利用方法はさまざまあって、誰もが気軽に足を運べる場所ですね。
ぜひ、気軽に利用してほしいです。あそび場として訪れてもいいし、定期的なイベントだけ行ってもいいし、ひと息つきに立ち寄ってもいいと思います。人と付き合うことが苦手なら、ひとりでふらっと入って、のんびり過ごすこともできます。おしゃべりしたければ職員が話し相手になります。これは科学館の例ですが、近所の小学生が、塾やサッカーの練習前のわずかな時間に来て、カウンターで今日学校であった出来事などを話して帰る子がいました。私たち職員も個性があるので、お気に入りの職員を見つけて(笑)。このように使い方はさまざま。学校でもなく、家庭でもない、児童館。こどもや保護者にとって、もうひとつの心地よい場所になってくれたらと願っています。
とはいえまずは気軽にあそびに来てくださいね。いつもとは違うあそび場に行ってみたい、日常に変化をつけたい、など、そんなことをきっかけに利用してもらえればうれしいです。
じつは「栃木県子ども総合科学館」は大型児童館なんです!企画事業課 加藤みささんに詳しく教えてもらいました。
ほとんどの方は科学館をレジャースポットとして利用してくださっていると思いますが、じつは児童館の活動も行っており、児童館と科学館という2つの機能がある全国でも珍しい施設です。また、大型児童館として栃木県内の児童館の連絡調整や支援などの役割も担っています。
館内では、児童厚生員が児童の健全育成につながるツールのひとつとして幅広いあそびを企画・実施しています。例えば、スポーツと自由なあそびを合体させた運動あそびや、つくったり、かんがえたり、みんながつくったものを買いものしたりできる「おしごとラボ」など、さまざまです。科学館は2025年の秋まで屋内施設は休館中ですが、屋外施設等を利用して定期的にイベントを行っていますので、遊びにきてください。また、新しい科学館には児童館スペースとして、これまでの遊びの世界に代わりキッズコーナーやワークショップスペースが誕生予定です。ぜひお楽しみに!