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更新日 2025/01/15

【とこぽ編集部がお届けする「とこポスト」】鬼は外、福は内!安全に気をつけて、こどもと節分を楽しもう


もうすぐ節分。2025年の節分は、2月2日です。

ちょうど日曜日とあって、「親子で豆まきをする」という家庭も多いのでは?

さて、とちぎの子育て家族はどんなふうに節分を過ごしているのでしょう?

安全にも注意しながら、こどもと季節の行事を楽しんでくださいね!



広がりつつある?節分に「落花生」をまく家庭


節分といえば、「鬼は外、福は内」の豆まき。


しかし、「どの豆をまくか」には、実は地域性がある、と知っていましたか?


日本全国には、大きく分けて「大豆をまく地域」と「落花生をまく地域」があります。そして、北海道や東北地方などの「北」と、鹿児島県・宮崎県・熊本県などの「南」に「主に落花生をまく地域」が分布し、それ以外の地域が「主に大豆をまく地域」です。


遠く離れた「北」と「南」が、同じ「主に落花生をまく地域」であることは面白いですね。


つまり栃木県は、広く知られているところでは「主に大豆をまく地域」とされているのですが、実際に現在とちぎで子育てをしている家族は、大豆と落花生のどちらをまいているのでしょうか?


とちぎの子育て家族にアンケートで尋ねてみました。



Q:節分の豆まきでは、大豆と落花生のどちらをまきますか?


結果は、やはり圧倒的に「大豆」が多数でした。とちぎの地域柄を反映し、現代の子育て家族でも節分には大豆をまいていることがわかります。


しかし、少数ながら2割近くの人が「落花生」と回答。そこで、「節分には落花生をまく」と回答した人のコメントを読んでみると……?



○地元が宮城なんですが、実家では神社から紙垂をもらい1カ所だけ窓を少し開け各部屋を悪魔払いしてから、落花生をまき、年の数だけ落花生を食べてました。結婚して、栃木にきてから大豆をまくのを知りました。今は落花生か、梱包されている柿の種をまいています。(ひめ・しゅうママ)


○自分がこどもの頃は大豆をまいていましたが、こどもが生まれ、入園した保育園(栃木県内)では節分に落花生をまいており、「なるほど、この方が掃除が楽だな」と思って、我が家でも落花生を取り入れました。(まき)



主に落花生をまく地域から引っ越してきたり、「落花生をまく方法もある」と情報を取り入れたりした人が、節分に落花生をまいているようです。ひょっとしたら、情報の広がりによって、「落花生をまく人」は今後とちぎでも増えていくのかもしれませんね。



5歳以下に硬い豆は食べさせないで、豆まきは代替品の工夫を


そんな豆まきに使われる豆ですが、大豆にしても落花生(ピーナッツ)にしても、小さなこどもには窒息や誤嚥(ごえん)の危険性があり、消費者庁は「硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類は、5歳以下の子どもには食べさせないで」と呼びかけています。



消費者庁「こども安全メール from 消費者庁」Vol.644 硬い豆やナッツ類をはじめとする食品での窒息や誤嚥に注意!

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20240122



煎った大豆やピーナッツなどの豆は、奥歯がまだ生えそろっておらず、噛む力や飲み込む力が十分ではない小さなこどもだと、窒息したり、噛み砕いた豆のかけらが気管に入ってしまったりする危険性があります。節分の豆まきは楽しい行事ですが、「何をまくか」には気をつけてください。消費者庁も、豆まきには「個包装されたものを使用するなど工夫して行い、5歳以下の子どもが拾って口に入れないように、後片付けを徹底」してほしい、としています。



では、実際にとちぎで子育てしている家族は、どのような工夫をしているのでしょうか。アンケートで尋ねてみました。



Q:こどもの窒息や誤嚥防止のため、節分に豆以外のものや「個包装の豆」をまいたことがありますか?



Q:「まいたことがある」「今後まく予定」という人は、何をまきましたか?もしくは、まく予定ですか?(複数回答)


合わせて約半数の回答者が、こどもの窒息や誤嚥防止のために「豆以外のものや個包装の豆をまいたことがある」「今後まく予定」と答えました。


大豆や落花生の代わりにまくものとしては、床に落ちても衛生的な「個包装の豆(100%)」が1番の人気。そのほか、「個包装のお菓子(33.3%)」「ボーロ・あられなどのお菓子(26.7%)」「丸めた紙やおもちゃのボールなど食品以外のもの(20%)」など、とちぎで子育て中の皆さんは、工夫して節分の豆まきを楽しんでいるようです。



節分の日の食事は恵方巻が定番


節分で、豆まきのほかに気になることといえば、食べもののこと。


とちぎの子育て家族アンケートでは、「恵方巻を食べる」との声が、たくさん寄せられました。


最近では、「恵方巻き」が節分の定番の食べ物として全国的に広がっていますが、元々は江戸時代末期から明治時代初期に、大阪の商人が商売繁盛の祈願のためにはじめたことが起源とする説があります。



○恵方巻きを食べる。こどもの頃はなかったが、ここ20年くらいで関東にも定着してきたと思う。(ゆっか)


○大人は恵方巻きを食べるけど、こどもたちには大きすぎるので「かんぴょう巻き」など小さい巻き寿司を食べさせてます。(黒蜜きな子)



とちぎの子育て家族にとっても、「節分に恵方巻」はもはや定番となっていることがうかがえます。


一方で、節分の日の食事ではありませんが、「節分で残った大豆などを使い、初午の日にしもつかれをつくると、80代の祖母から聞いたことがあります。(もっち)」とのコメントもありました。


「しもつかれ」は、栃木県を代表する郷土料理ですが、正月に食べた塩引鮭の頭などとともに、「節分に煎った大豆の残り」を使った一品。かつては2月の初午の日(2025年は2月6日)に稲荷神社に供えるとともに、家庭でも食べていたようです。


節分で残った大豆も無駄にしない、昔の人の知恵が感じられる郷土料理ですね。




[そのほかの参考文献]


下野新聞(2024年2月1日付)節分何まく? 栃木県は圧倒的な「大豆県」 落花生派も15%、他地域の風習波及か

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/850936


公益社団法人 日本小児科学会「学会からの提言・主張」~食品による窒息 子どもを守るためにできること~

https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=123


農林水産省「うちの郷土料理」栃木県しもつかれ/シモツカレhttps://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_1_tochigi.html


※記事内のアンケートは、栃木県在住の子育て中の保護者22名が回答。インターネットによる調査、調査期間は令和6年10月30日~11月10日。構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計は100%とならない場合があります。

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